月額2.5ドルから使える素敵なクラウドVPS「Vultr」の良いポイント
日本でもそこそこ有名になりつつある、海外VPSの『Vultr』を使ってみた。
いろいろ解説しているサイトがあるので(例えばこのへん↓)端折るけど、自分の独断と偏見でポイントを紹介。
1. 何と言っても月額2.5ドルのインスタンス
これが一本抜けている。安いのは素晴らしい。月額2.5ドルのインスタンス(サーバー)で、20GBのSSD、1コアCPU(バーチャル)、512MBメモリ、500GBの転送量がついてくる。しかもこれ、時間計算。本当の計算方法は時間割の0.004ドル/hで、これの天井金額が月額2.5ドル。なので、月の途中で契約してもまるまる月額分請求されることはないし、使わないときはストップしておけばその分カウントが減るはず1。
ただし、超過分の転送量は従量課金になるらしい。FAQから。
At what rate is overage bandwidth billed? Bandwidth utilization in excess of instance allocation is charged at $0.01 per GB in North American and Western European locations. Due to higher regional costs, Singapore and Tokyo (Japan) overage is priced at $0.025 per GB and Sydney (Australia) overage is priced at $0.05 per GB.
Vultr.com Frequently Asked Questions - Vultr.com
Vultrの北米と西ヨーロッパのリージョンは$0.01/GB、シンガポールと日本は$0.025/GB、オーストラリアはなんと$0.05/GBもする。Amazon EC2の場合は東京リージョンのアウトで$0.140/GBも取っていて無料枠も雀の涙なので、だいぶ良心的かもしれない。ただし、転送量の計算方法が違って、Vultrはインとアウトの多いとこを取るし、転送量も時間あたりの無料枠超過分(500GBだったら500/672=0.74GB/h)を超過したのに対して課金するシステム(なので瞬間的に転送量が増えるようなケースには弱い)。転送量からちょっと離れるが、Vultrの場合はよくあるVPSやレンタルサーバー同様、アップスケーリングはできるがダウンスケーリングはできない(というか非推奨?)。ここが注意がいる。
そもそも、Vultrの場合クレジットをチャージしておいてそこから引き落とす(後述)というシステムが使えるので、クラウド破産のリスクはだいぶ減る。ただ転送量関係がややこしいので、超過したら503出したり、低速になったりするようなシステムはなさそう。なので、WordPress置いたりするのにはちょっと不向きかもしれない(転送量が読みづらいから)。転送量が読みやすい自分専用のサーバーなんかにはとてもうってつけ。
2. 月額2.5ドルのロケーション
2018年3月頭現在、2.5ドルの使えるロケーションはアメリカのマイアミとニューヨーク。東京とかいう極東の僻地にはそんな便利なインスタンスないし、北米より東京のほうがハードウェアのベンチマークで優れているかというとそんなことはない。試しに月額5ドルの東京のインスタンスを使ってみたら、5ドル出すほどよくはなかったのでさっさとDestroyしてしまった。日本から接続するならping面のメリットはあるが(東京が10msぐらいで、北米が160~170ms)、そこまでpingの0.1秒を気にするようなことはしないから特に問題ない。「ジャップの都が何だ、世界のニューヨークを使ってるぞ」でいい気分になってもいいし、マイアミで南国気分になってもいい。
3.大事なこと:2.5ドルのインスタンスはまで2つしか持てない
これあまり大きく書いていないのだが(クソ長いTosにはしっかり書かれている2)、2.5ドルのインスタンスは1人2個までしか持てない。3個以上持とうとすると、
Unable to place order: You have reached the maximum number of active instances (2) with our sandbox plan. Please choose a different plan.
と怒られる。2.5ドルのプランはテスト用のsandboxという位置づけらしい。まあこんだけコスパいいインスタンスを大量に持たれても困るよね。
4.クレジットのプリペイド方式
海外のVPSではたまに見かけるがここが良い。Suicaのようなイメージがわかりやすい。プリペイドが日本のお家芸だと思ったら大間違え。一旦10ドル、25ドルとクレジットを追加しておいて、そこから仕様分に応じて引かれるシステム。クレジットが足りなくなった場合は直ちにSuspendされるようではないようだが、その間も加算されるのかは読んでもよくわからなかった。参考。
支払いはPaypal経由が一番やりやすい。PaypalにはVプリカも紐付けられるので、そこらの日本のサーバーよりも支払いが簡単だったりする(ちょっと割高になるけど)。調べてみたら、国産のConoHaもようやくプリペイドカードを出したらしい(アニメ柄で可愛い)。でもこれで国内初だというのは業界全般的に遅れている感はある(ちらっと調べて出てきたAWSのプリペイド集金代行とか完全に食い物にしている感じしかしない)。
5.コンソールがとてもわかりやすい
コンソールが今まで触った海外VPSの中で一番充実している。よくあるテンプレートタイプではないので、コンソールにJavaが必須だったりするようなことはない。そしてCPUの仕様状況もわかりやすい。ただ、シリアルコンソールがぱっと見たところないので、パスワード認証切ってログインできなくなると詰むかもしれない。
いかんせん全部英語なのだが、今更英語だからちょっと…というのも(法律関係の面倒で専門的なやり取りをするなら別だが)Linux使っててだから何なの?という感はあるので、英語に特に抵抗感のない人は知識の分だけお得にいけるということでありがたくつかわせてもらおう。英語がいやでいやで仕方がないという人はさくらの初期費用でも払って、どうぞ。
6.UnixBenchの結果
北米のマイアミの2.5ドルインスタンス
======================================================================== BYTE UNIX Benchmarks (Version 5.1.3) System: vultr.guest: GNU/Linux OS: GNU/Linux -- 3.10.0-693.17.1.el7.x86_64 -- #1 SMP Thu Jan 25 20:13:58 UTC 2018 Machine: x86_64 (x86_64) Language: en_US.utf8 (charmap="UTF-8", collate="UTF-8") CPU 0: Virtual CPU a7769a6388d5 (4788.9 bogomips) x86-64, MMX, Physical Address Ext, SYSENTER/SYSEXIT, SYSCALL/SYSRET 21:42:16 up 8 min, 1 user, load average: 0.11, 0.13, 0.06; runlevel 3 ------------------------------------------------------------------------ Benchmark Run: Sun Mar 04 2018 21:42:16 - 22:10:07 1 CPU in system; running 1 parallel copy of tests Dhrystone 2 using register variables 28097460.5 lps (10.0 s, 7 samples) Double-Precision Whetstone 4415.6 MWIPS (8.0 s, 7 samples) Execl Throughput 3264.0 lps (30.0 s, 2 samples) File Copy 1024 bufsize 2000 maxblocks 632044.1 KBps (30.0 s, 2 samples) File Copy 256 bufsize 500 maxblocks 177198.2 KBps (30.0 s, 2 samples) File Copy 4096 bufsize 8000 maxblocks 1442202.1 KBps (30.0 s, 2 samples) Pipe Throughput 966982.3 lps (10.0 s, 7 samples) Pipe-based Context Switching 145121.8 lps (10.0 s, 7 samples) Process Creation 9365.6 lps (30.0 s, 2 samples) Shell Scripts (1 concurrent) 4592.8 lpm (60.0 s, 2 samples) Shell Scripts (8 concurrent) 620.5 lpm (60.0 s, 2 samples) System Call Overhead 935729.4 lps (10.0 s, 7 samples) System Benchmarks Index Values BASELINE RESULT INDEX Dhrystone 2 using register variables 116700.0 28097460.5 2407.7 Double-Precision Whetstone 55.0 4415.6 802.8 Execl Throughput 43.0 3264.0 759.1 File Copy 1024 bufsize 2000 maxblocks 3960.0 632044.1 1596.1 File Copy 256 bufsize 500 maxblocks 1655.0 177198.2 1070.7 File Copy 4096 bufsize 8000 maxblocks 5800.0 1442202.1 2486.6 Pipe Throughput 12440.0 966982.3 777.3 Pipe-based Context Switching 4000.0 145121.8 362.8 Process Creation 126.0 9365.6 743.3 Shell Scripts (1 concurrent) 42.4 4592.8 1083.2 Shell Scripts (8 concurrent) 6.0 620.5 1034.2 System Call Overhead 15000.0 935729.4 623.8 ======== System Benchmarks Index Score 992.5
ファイルコピーがむちゃくちゃ強い。
ユーザー登録してツイッター連携してツイートすると、3ドル分のクレジットがもらえた。あとネトゲでよくある友達招待キャンペーン的なのがあるので、このポストがおもしろかったと思った類まれな人は、下のリンクから登録して30日以上使って10ドル以上チャージするとありがたく射精する。
今使っているサーバーの契約が一区切りついたら一旦ここに集約させようかなと思っている。
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厳密にはServer Stopすれば課金が止まるかというとそうでもないらしい。本当に課金を止めたければ「Server Destroy」をすべき。↩
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16.5 SANDBOX PLAN Vultr offers a 512MB VC2 sandbox plan for testing out our platform. This plan is limited to two instances per account. https://www.vultr.com/legal/tos/↩